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《アジアカップ》「GK鈴木彩艶は相手に狙われる」「PK戦も任せられない」4戦連続失点中の日本代表が抱える“不安要素”《城彰二が解説》

AFCアジアカップ2023・城彰二の視点 #4

2024/02/02
note

フィジカルが強くて球際が激しいイランに勝つための“カギ”

――準々決勝の相手は、イランになります。

 エースのFWメフディ・タレミが出場できないのは日本にとっては大きいですが、イランは間違いなく今大会、一番強い相手。フィジカルが強くて、球際が激しいので、局面局面での1対1の攻防がカギになります。そこで相手の勢いや強さに飲まれないようにしないと、イラク戦のように相手のペースで戦うことになってしまう。

――試合を優位に進めるには、やはり先制点でしょうか。

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 間違いないですね。これまでのようにチャンスは多くないと思うので、そこでいかにしっかりと決められるか。上田、堂安、それにバーレーン戦で決めた久保は調子がいいですし、そこに毎熊が絡んで、なんとか先制して主導権を握ってほしいです。

――イラク戦のように完全アウェイのなかでの試合になりそうです。

 たぶん、選手同士の声が聞こえにくくなるので、指示は的確にしないといけない。何でもないプレーでも大声援でイラン優位のような雰囲気になるので、そこは冷静に戦ってほしいですね。

 本当はイランがパスをつないでくれた方が日本はやりやすいけど、エースのFWがいないので、ロングボールやハイボールを入れてゴリゴリ押し込んで、セカンドボールを拾う展開を狙ってくるかもしれない。そうなると、日本としては難しい試合になるでしょう。イランは粘り強いので、最後まで緊張感のある張り詰めた試合になると思います。

森保監督はどのような采配を見せるか ©JMPA

――インドネシアもバーレーンもドン引きで来るのかと思いきや、日本を恐れずに研究して前で勝負をしてきました。イランもかなり研究してきそうですね。

 かつてのように日本相手に完全に引いて10人で守るみたいなシーンは少ないですし、そういう時代じゃなくなりました。守りながらでも3、4人のグループで攻撃し、日本の弱さを突いて活路を見出すとか、自分たち独自の戦術を考えて実践しています。

 それで実際、日本といい勝負ができている。どこの国もやれる自信を持って試合に臨んできているので、今後アジアを戦う上で日本は戦いにくくなっていくでしょう。これからのW杯予選を考えても、アジアカップを制して、日本の強さを見せておかないといけないと思います。

取材・文=佐藤俊

《アジアカップ》「GK鈴木彩艶は相手に狙われる」「PK戦も任せられない」4戦連続失点中の日本代表が抱える“不安要素”《城彰二が解説》

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