文春オンライン

「森保さんはもう無理」「監督として致命的な欠点がある」北朝鮮に苦戦した森保ジャパンに、城彰二が感じた“限界”

2024/03/23
note

――森保監督は、なぜ中途半端に試合を流してしまうのでしょうか。

 森保さんは、サンフレッチェ広島の監督や選手時代の経験として、こういう時はこうしたらいいというのが分かっていると思うんです。でも、その経験に基づいた指示とか、修正が見えない。アジアカップのイラク戦、イラン戦を含めて今回も変えられないというのは、策がないのかなと思ってしまいます。

森保一監督 ©JMPA

「彼が目立つと攻撃が機能していた」攻撃陣で活躍していたのは…

――内容的にはもうひとつでしたが、個で動きの良さが目についた選手はいましたか。

ADVERTISEMENT

 堂安(律)が良かったですね。ワイドでボールをもらうと果敢に仕掛けていたし、なかでボールをもらってパスを入れたり、上田(綺世)や南野(拓実)が作ったスペースをうまく使ってプレーしていた。後半は、堂安にボールがほとんど行かず、消えていた時間もあったけど、彼が目立つと日本の攻撃が機能していた。決定力に課題があるけど、伊東(純也)や三笘(薫)がいない時は、攻撃に欠かせない選手になっていると思います。

 上田は前半、良かったですね。彼は、ボールに触ろうとして下がってくる傾向にあるけど、今回はボックス周辺で我慢してプレーしていました。だからこそチャンスを作れたし、決定的なシーンにも絡めたと思います。これからもあまり下がらず、ボックスの近くでプレーできれば、ゴールを決められるでしょうし、より怖さを見せることができると思います。

セットプレーにもっと力を入れるべき

――アジアカップでは招集外になった田中碧も結果を出しました。

 田中碧は、ボールを奪ってから、さらに前に進めるタイプで、ゴール前にも飛び込んでいけるのが持ち味。シュートも狙ったところにポンと入れ込む感じだったし、冷静でした。このゴールがなければ最悪ドローになっていた可能性もあるので、まさに値千金のゴールでした。

――攻撃全体でいえば、先制点を決めたあとの88分、ゴールを奪えず、物足りなさが残りました。

 決定的なシュートを堂安や上田が決めていればと思うけど、課題はセットプレーでしょう。デザインする人がいて、練習をやっているはずなのに、可能性をまったく感じない。北朝鮮は、守備陣に特に高くて強い選手がいるわけではないのでセットプレーは狙い目だったはずです。それなのに、トリックを使うとか、ショートコーナーで工夫するとか、いっさいなかった。