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【悲報】「脳トレで頭はよくならない!」脳科学の新常識が教える“不都合な真実”

【悲報】「脳トレで頭はよくならない!」脳科学の新常識が教える“不都合な真実”

『世界の最新メソッドを医学博士が一冊にまとめた 最強脳のつくり方大全』が教えてくれること #3

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メントレ+身体トレ? 脳は2方向で鍛えよ

 では、何をすれば「脳に効く」のでしょうか?

 まずは前提として、脳の鍛え方(脳の機能向上と維持)について現在までにわかっていることを簡単にまとめてみましょう。

 まず、脳を鍛えるトレーニングには、大別して2つのアプローチがあることが、動物実験によって明らかになっています。

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 ひとつは、メンタルトレーニング(スポーツや勝負事の世界で昨今いわれているメンタルトレーニング【コントロール】とは別の意味)。具体的には、連合学習(複数のものを関連付けて覚えること。たとえばヒトは顔を一つ一つのパーツで覚えるのではなく、顔全体として記憶している)、空間学習(たとえば歩くことで道を覚え、頭の中に地図を描くこと)などがこの領域に含まれ、いずれも脳細胞が自然に減少することを食い止める効果があることが研究によりわかっています。

©AFLO

 そしてもうひとつは、いわゆる身体的トレーニング。特に有酸素運動によって、脳内の新しい細胞が大幅に増えることが動物実験によってわかっています。(くわしくは記事♯1へ

 つまり、メンタルトレーニングで脳細胞の現象を食い止めながら、身体的トレーニングで脳細胞を増やしていけばよいのです。いわばこの両面作戦が有効、といえます。