文春オンライン

「バラエティの仕事がなければ、首を吊っていた」月に数十万の食費で生活困窮…遠野なぎこ(44)が経験した、摂食障害の苦しみ

遠野なぎこさんインタビュー #2

2024/05/05
note

ドラマの本番直前に「何キロ増えたの?」と言われて…

――お休みの日は、どのようにして過ごしていますか。

遠野 お酒飲んでる(笑)。あとは録画しておいたグルメ番組を見てますね。私、グルメ番組が大好きで。あとは、見ていたらお腹空くかなと思って、胃を動かすためにも見てます。もはや趣味みたいなものですね。

――実際、グルメ番組に出てきたロケ地なんかに行ったりすることは?

ADVERTISEMENT

遠野 行かない行かない、おうちの中にずっといたい派です(笑)。家でお酒飲んでるのが好きだし、安心するんですよ、おうちの中が。

 

――摂食障害になってから、周囲から心ないことを言われたことはありましたか。

遠野 ありますよ。過食期で太っていた時期に、ドラマの本番直前にメイクさんから「何キロ増えたの?」と言われたことがあって。もうどうしていいかわからないくらい震えちゃって、本番でセリフが何も出てこなくなっちゃったんですよ。大先輩もいる中で、何十テイクも撮り直しをしないといけなくなって、本当に恐ろしい思いをしました。今思えば「どうしてそんなことを聞くんだろう」と思いますけど。

 吐けない過食のときは太ってしまうから、誰も心配してくれないんですよね。痩せていると心配されるけれど、太っていて「摂食障害だ」と言われてもピンとこないのか「どんな生活してるの? だらしない」と言われてしまったり。

摂食障害を公表後、インスタのコメント欄に変化が

――摂食障害イコール拒食だと思っている方も多いですよね。

遠野 そうなんです。インスタグラムでもよくメッセージをいただきますけれど、それで悩んでいる方もいっぱいいらっしゃって。自分で制御できる病気ではありませんから。

――遠野さんが摂食障害を公表してからは、どのような反響がありましたか。

遠野 インスタグラムのフォロワーさんは、すごく喜んでくださってます。同じ悩みを持っている方々が、コメント欄でご自身の症状を打ち明けてくれて。「感情を吐き出していい場所ができた」と感じてくれているみたいです。

 

 私はこういう仕事をしているから公表できますし、インタビューしていただいたりもできますけど、一般のお仕事をされている方だと、まず誰にも言えないんですよね。言っても周りが理解してくれなかったりもしますし。

 私は、そういう悩みだったり苦しみを、誰でも24時間365日吐き出していい場所としてインスタグラムを使っているんです。そうすることで、すごく安心してくれる方が増えたので、私は公表したことに意味があったと思います。

撮影=佐藤亘/文藝春秋

「バラエティの仕事がなければ、首を吊っていた」月に数十万の食費で生活困窮…遠野なぎこ(44)が経験した、摂食障害の苦しみ

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー