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「煮卵・チャーシュー・麺大盛・ネギ・海苔…追加具材を利益率の悪い順に並べよ」元ラーメン店主の公認会計士が出題

source : 提携メディア

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わずか2年の経営期間でしたが、食材や水道光熱費の値上げが相次ぎ、利幅が恐ろしいスピードで減っていきました。

飲食店経営はますます厳しくなる

コロナ禍が明けて最悪の時期は終わったものの、そもそも飲食店は行列ができているような店を除いて、それほどお金が残りやすい商売とはいえません。

昨今の物価高であらゆるものの値段が上がり、経営はより厳しくなりました。食材だけでなく、包装資材、電気代、ガス代、人件費も値上がりし、高くなっていないものを探すほうが難しい状況です。

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サラダ油など、コロナ禍前に比べて30~40%価格が上がったものも珍しくありません。

円安傾向が続いていることもあり、今後も物価高が収まる気配はないので、値上げできない飲食店の存続はますます厳しくなると予想されます。

「テイクアウトのコーヒー」は完全な失敗

そんな中で何も対策をしないと、原価率は向上を続けてしまい、経営が苦しくなることは当然です。そのため、私も含め、多くの店主は、値上げをしたり、商品ラインナップを増やしてトータルでの原価率低減を狙ったり、新商品を導入して新規客の来店を狙ったり、さまざまな作戦を練り、実行していきます。

その時に私が行ったのは、テイクアウトコーヒーの販売や、トッピングの追加販売を狙うことでした。

コーヒーについては、コンサート等が開催される公共施設内に店があったこともあり、原価率10%のコーヒーを200円で販売することで、食材原価上昇による粗利の減少をカバーする作戦でした。こちらはコンビニのコーヒーや自動販売機に勝つことができず、売上は多い日でも10杯程度で、完全な失敗に終わりました。

「追加トッピングしてくれるお客さん」はありがたい存在

トッピングは売れれば客単価の向上につながり、粗利も増加します。

そのためにラーメンに追加トッピングをしてくれるお客さんはありがたい存在でした。

とはいえ、一口に「トッピング」と言っても、それぞれ利益率は異なり、ラーメン店経営者にとっては、うれしいトッピングとそうでないものがあります。