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「一寸先は分からない。好きなことはやっておかないと」田口トモロヲ(66)が終活をする際に真っ先に処分を考える“ヒミツのアイテム”

田口トモロヲインタビュー#2

2024/04/20

genre : エンタメ, 芸能

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 俳優、ナレーター、映画監督。多彩な顔を持つ田口トモロヲさん(66)は、舞台「千と千尋の神隠し」で釜爺役を演じ、帝国劇場からロンドン公演へ。

「夢にも思わなかった」という海外滞在に向けて右往左往しながらも、常に小さな場所から人生を楽しむぶれない視点を追った。(全2回の2回目/前編を読む)

 

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ジョン・ケアード氏の演出を稽古場で見て感動しました

――今日はいつもと雰囲気が違って。髪型でしょうか。

田口トモロヲさん(以下、田口) そうなんですよ。僕けっこう髪の毛が黒いんで、自分の年齢がオファーされる役に追いつかなくなってきて。60代の後半だと、もう少し髪の毛が白いということで、ヘアメイクさんに白くしてもらっていたんですけど、もう染めちゃえばいいやって。役作りのためにシルバーにしてもらったのが、時間が経ってブリーチされた状態に。

 いまはちょうど舞台の最中なので、そのままにしているというのもあります。

――「千と千尋の神隠し」ですね。

田口 舞台に上がるときはヅラを被っちゃうんで、どんな髪型であろうと大丈夫。

――田口さんが演じてらっしゃる釜爺もそうですが、アニメーションをすべて人力で表現されていて、心を鷲掴みにされました。

田口 僕も稽古場ではじめてジョンの演出を見た時、全部人間でやるんだっていうことに衝撃を受けて、しかもジブリのスピリッツをなにひとつ変えることなく、人力で再現していることに感動して、本当にびっくりしましたね。

 

3カ月もロンドンに滞在するのは楽しみだけど…

――原作では、釜爺の声は、菅原文太さん。セリフもほとんど同じですよね、どうだったかなと観直してみたら、ああ一緒だと。

田口 そうなんですよ(力強く)。寸分違わず再現しながら、それでいて演劇的な身体性で表現するという。(原作とは)なにひとつ変えていないのに、あんな舞台的な表現ができるんだって衝撃を受けたし、釜爺の6本の腕を人力で動かすことにも、度肝を抜かれました。こんな演劇表現があるんだって。

――2022年の初演から、今年3月の帝国劇場の上演で3回目。まもなく初のロンドン公演ですが、準備は順調ですか?

田口 いや、3カ月も仕事で海外に滞在するのは初めてなので、なにをどうしていいのか、ちょっと戸惑っているというか、焦っています(笑)。

――宿は決まっているんですか?

田口 とにかく物価が高いといわれていて、台所もついている、ホテルというか、サービスアパートみたいなところを見繕ってくださっていると聞いています。

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