コラムニスト、イラストレーターの能町みね子氏が綴る「週刊文春」の人気連載『言葉尻とらえ隊』。ニュースやCM、Xの投稿から芸能人の何気ないコメントまで、市井に溢れる「言葉」をテーマに今の日本を読み解きます。大きな波紋を広げる松本人志報道、そしてジャニーズ性加害問題を能町氏はどう捉えたのか。必読セレクションをご紹介します。

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松本さんも本当に本当に素敵で(A子さん〔スピードワゴン・小沢へのLINE〕)|能町みね子

 

 松本人志の性加害疑惑報道に関して、流出したとされるLINEのやりとり。私はこれだけでいくらでも語りたい。

 

 15年11月8日22時23〜24分にかけ、スピードワゴン・小沢から被害者とされるA子さんに「いまどんな感じですかー?」「大丈夫?」「無理すんなよ」と3連続LINE。そして翌日0時26分、A子さんから小沢へ「小沢さん、今日は幻みたいに稀少な会をありがとうございました。会えて嬉しかったです/松本さんも本当に本当に素敵で、(中略)小沢さんから頂けたご縁に感謝します。/もう皆それぞれ帰宅しました/ありがとうございました」(以上、絵文字は省略)

 

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「ふーん」(山田涼介)|能町みね子

 

 ふと思った。去年の「今年の漢字」、「旧」がよかったな。旧ツイッター、旧ジャニーズ。そしてまだ旧統一教会問題もある。「旧〇〇」の周辺の澱がたくさん見えた年でした。

 

 ところが芸能界では年末から松本人志の問題が大騒動になり、さらには年明けには能登に大震災が来てしまった。この感じだと旧ジャニーズ問題は忘れられそうです。

 

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x's(イーロン・マスク)|能町みね子

 

 このコラムは、ツイッターというものの恩恵をきわめてたくさん受けてきました。政治家も芸能人も、基本的にツイッターは本人が書いている。だからこそ、本音や生々しい感情が言葉尻や文体にまで表れて、それがいい。

 

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怒りや責任の矛先を間違えてはいけない(橋本愛)|能町みね子

 

 先々週の、橋本愛「私の読書日記」(本誌)を取り上げたい。

 

 先月橋本はSNSで、トランスジェンダー女性が入浴施設などを使用する際は「体の性に合わせて区分する方がベター」「私は女性として、(略)身体が男性の方に入って来られたら、とても警戒してしまうし、それだけで恐怖心を抱いてしまう」などと投稿。これが「トランス差別だ」と批判され、橋本がすぐに謝罪したことで逆に「なんで彼女が謝るの?」などとコメントが殺到、「#橋本愛さんに連帯します」というハッシュタグまで出現したのだ。

 

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上島も喜んでおります(有吉弘行)|能町みね子

 

 ザッピングしながら見たのに何の根拠もなく断言するけど、去年末の紅白歌合戦のベストパフォーマンスは純烈+ダチョウ倶楽部+有吉弘行のコラボ。これは譲れない。

 

 去年、上島竜兵が悲しい亡くなり方をしたことを、彼の大ファンというわけでもない、でもちょっと好きな、ただの視聴者である私は妙に引きずっていました。

 

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source : 週刊文春